Event Report-NEDO,Silicon Valley Robotics,SRI International 共催 THE RISE OF THE ROBOTS 

 

 

一方、成長率でみると中国が総販売台数の36%を占めるなど、ここ数年、中国、韓国、米国、ドイツなどに押される形だ。

NEDOが2010年に発表した資料によると、日本国内におけるロボット産業の将来市場は

2035年までには9.7兆円まで膨れ上がる。将来性が見込める日本のロボット

産業市場を世界的にも優位に進めるべく官民一体となり様々な活動を行っている。

 

そんな中、昨年に続いて今年で2度目となる日米ロボットカンファレンス THE RISE OF THE ROBOTS イベントがMenlo Park にある SRI International で5月30日に開催された。 NEDO,Silicon Valley Robotics,SRI International 共催イベントであり、シリコンバレーで働く日米の業界関係者が集い更なる協力促進を通じて日本のロボット業界の発展に繋げる事を目的としたイベントだ。

 

当日は約500名の参加者が集まり、日米両国の第一線の専門家を交え、講演やパネルディスカッション、ロボット系スタートアップによるピッチが行われた。

NEDO 副理事長である、及川 洋氏が冒頭挨拶。「日本はご存知の通り、労働人口の減少、社会保障費の高騰などを理由に、他のアジア諸国と比較しても経済成長が鈍化しております。これらの課題は、ロボット業界やスタートアップの支援を通じて解決していかなくてはなりません。日米のこの業界で働く我々が手を取り合って、問題を解決しより強い絆を築けるようなイベントになれば幸いです。」と語った。

NEDO 及川 洋氏

続いて SRI Internatinal のManish Kothari CEOが挨拶。「ロボットの定義は『モバイルなどのデバイスを使って動かすことの出来る機械で複合的な作業が可能、感情のない人間のようなもの』と言えます。過去5年間で、ロボットが多くの事を成し遂げた様子を我々はみる事ができました。今後10年間ではより多くの事をロボットが成し遂げられるでしょう。我々にとっても多くの挑戦となりますが、NEDO、Silicon Valley Roboticsと一緒に今後何が出来るかを考えて行きたいと思います。」と語った。

その後のパネルディスカッションでは、実際に日本の大手企業と、アメリカのスタートアップが業務提携をしている事例を紹介。日本の大手企業とアメリカのスタートアップが協力しあい働く上でどんなことが問題になっているのか、それをどのようにお互いで解決しているのかを披露。

 

IHIと米国スタートアップ Osaro のコラボレーション事例

ランチタイムを利用した展示会では、日本から参加しているスタートアップ企業も含めて自社のプロダクトを紹介した。

 

 

NEDOシリコンバレー事務所の亀山所長は「近年のAI技術の進化に伴い、シリコンバレーを中心に米国で数多くの新しいロボットビジネスが生まれてきている。他方でこの分野でこれまで技術を積み上げてきた日本はまだ一目置かれており、その両者がうまく連携して新しい価値を生み出せるような機会を作りたかった」とカンファレンス開催の狙いを語った。

その思いに呼応する形で、シリコンバレーや日本を中心に多くの関係者が集まる盛大なイベントとなった。

NEDOは、日本企業と現地企業を結びつけるイベントを多く開催したり、スタートアップ企業のシリコンバレー研修プログラムの実施、海外での第一歩を踏み出すための実証事業支援など、多くの企業支援プログラムを行っている。ぜひ、多くの企業に活用頂きたい。

NEDO活用術に関する過去記事は、こちらから。