2019年8月26日、スタンフォード大学のArrillaga Alumniにて日本-カリフォルニア知事会議が開催された。
このシンポジウムは、US-JAPAN COUNCIL(米日カウンシル)とSVJP(シリコンバレー・ジャパン・プラットフォーム)の共催のガバナーズ・サークルの一環であり、2014年7月に開催されたシリコンバレー知事会議に続いて2度目の開催となった。


スタンフォード大学の敷地面積はキャンパス単体で8,180エーカー(約33㎢)で、世界中の大学で第2位の広さを持つ。著名な卒業生として、フーヴァータワーの名称の由来にもなったアメリカ合衆国第31代大統領ハーバート・フーヴァー、日本の第93代内閣総理大臣鳩山由紀夫、ユニセフ東アジア太平洋地域親善大使も務めるアグネス・チャンなどが有名。

今回のガバナー参加者は、長野県 太田 寛副知事、静岡県 川勝 平太知事、岡山県 伊原木 隆太知事 、広島県 湯﨑英彦知事、大分県 広瀬 勝貞知事の5名。イベントの前半では、改革と協力が重要視される各県の課題を明確にし、後半では、教育とヘルスケア問題について、各企業・専門家の方々を招いてのセッションとなった。
川勝静岡県知事と太田長野県副知事は、ヘルスケアをテーマにするパネルディスカッションに参加。両県が抱える、高齢化問題、医療費の増加などについて話し合い、それをAI(人工知能)を駆使しながらどのように解決するのか議論した。
日本が直面するSTEAM人材の育成や高齢化社会の課題について話し合われ、スタンフォード大学と日本の産学連携に今後期待される。

同日夜、スタンフォード大学近くの会場で行われた、静岡県の川勝知事、静岡出身の方、静岡の企業の方を集めた懇親会に参加した。今回この懇親会イベントを取りまとめたのが、スタンフォード大学アジア太平洋研究センターに客員研究員として籍を置いている静岡県職員の波多野 陽介氏だ。

波多野氏は、静岡県と米国を繋げる一環として現在力を入れている事業の一つが「ブルーテック/マリンオープンイノベーション」だ。静岡県はご存知の通り、駿河湾という日本でも最も深い湾を有し、多様な生態系と豊かな海洋資源に恵まれている。こうした潜在的な地域資源を活用した次世代の新産業育成とエコシステムの構築を目指すべくプロジェクトを進行中だ。
約30名程が集まった懇親会で川勝知事にインタビューした。特に若者の人口の流出が進む静岡の将来の対策に関しては、
「大学を卒業して、すぐに静岡に戻って来てほしいとは言わない。別の場所でやりたいことを思いっきりやりなさい。きっと30歳前後で結婚や仕事でターニングポイントが訪れることがあるから、その時に静岡へ戻るという選択肢を考えてみてほしい。静岡はそんな君たちをいつでも歓迎するよ。」と県民の筆者にとってとても温かいお言葉を頂いた。

知事の発言は、力強くも若者たちの未来を優しく後押ししているよう感じた。
文責:石田紗彩
写真:U.S-Japan Council