薬ではなく食べもので健康な心と身体を作る予防内科医 兼 起業家 関 由佳

「ニューヨーク料理修行」

 そして2012年からは予防医学を学ぶようになり、保険を使った診療をする「医者の王道」から外れたわけですが、覚悟は出来ていたので、手放すのは難しくはなく、返って生き方が楽になりました。

 その後は、料理を学ぶべく日本の調理師学校に行こうと思っていたのですが、「ニューヨーク料理修行」(安藤幸代著 幻冬舎)という本に出会い、それがきっかけで留学を決意。英語は苦手だったのですが、自分の好きな分野だったらできるのでは、と思い立ちました。

その年の6月に決めて、9月にはニューヨークにいました。半年間、学校で好きな栄養学と料理を存分に学び、その後にインターンが出来るビザがあったので、栄養士がレシピを作っているという憧れていたミシュランの星つきレストランにレジュメを送ったりもしました。

NYで知り合った友人の一人。世界で活躍する西村宏堂さん

 

 

 

海外での経験が自分の枠を外し気づいた、自分で自分の病気を作ってしまうプロセス

米国から帰国後、次は南インドに、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダを学びに行ったのですが、日本では学べなかったことがここでは沢山学ぶことができました。

 

日本にいた時は、どうしてもこうじゃなくてはならないとか、大学に行ったらみんな就職活動して大企業に就職してという人生が普通のことで、それ以外はものすごいリスクって感じるんですけれども、ニューヨークでもインドでも、それをリスクと考えないで、チャレンジは価値のあることだから、失敗することも価値があって、そこから学ぶものであって、みんなトライして失敗して、さて次はどうしようか、みたいな自由さがあり、それまで自分で勝手に決めていた枠を外していくことが出来ました。

それでも社会って回っていくんですよね。(笑)それまでの私は不安になりすぎていたなって。自分で制限や枠を勝手に作って、その中でストレスを溜めて、ホルモンのバランスを崩して、自分で自分の病気を作っていたんだなって、腑に落ちました。その3ヶ月後には月経が再開しました。日本にいて、そのまま医者をやっていたら、多分治ってなかっただろうな。

アーユルヴェーダの先生に「健康とは何か」を聞いてみたのですが、それはボディ(身体)、マインド(心)、スピリット(精神)のバランスが取れていることだと言われました。これはまさに私のことで、意識が変わることで病気が治っていくということを実体験しました。

 

 

味噌との出会い

 ニューヨークでの留学中に、日本人の方(たまさんのブログはこちら)に味噌の作り方を教えていただきました。日本だったらどこでも美味しい味噌が売っていますが、ニューヨークだとなかなか手に入らないんですよね。

 

NYで料理教室を行っているたまさん

 

作ってみたら簡単だし、美味しいし。調べてみたらアミノ酸、ミネラル、ビタミン、抗酸化物質など人間が必要とするものが全部入っていて、その魅力にはまりました。日本に帰ってから味噌ソムリエの資格を取り、本質を知りたいと思い日本全国の味噌蔵を周り、日本人の長寿を支えているのは味噌を代表とする発酵食品だと再認識しました。

 発酵食品は腸内環境を整えます。腸は神経が張り巡らされていてホルモンを作ったりダイレクトに脳に命令を出しているので、第二の脳と呼ばれます。昔の武士は精神力がとても強かったと思うんですけれども、きっと腸内環境がとても良かったのだと思います。現在は除菌をしたり抗生物質を服用したりとクリーンな状況にしているので、腸内環境もだいぶ変わってきてしまっていますよね。