AIゲームチェンジャー シリコンバレーの次はシアトルだ  元電通社員がシアトルで起業した5つの理由
マイクロソフトは、現在本社機能を置くレドモンドキャンパスのリモデルプロジェクトを進めている

*84年にアスキー入社、86年マイクロソフト日本法人の設立に参加、その後92年に電通に入社され、長年大手企業を渡り歩いてきました。2015年にシアトルで起業を決意した理由を教えてください。

 

アスキー入社の84年から、東京→シリコンバレー→シアトル→東京 を頻繁に出張で移動していました。当時アスキーのシリコンバレーでの提携先のインフォミックスに常駐しながら、アドビなど今では大手となったスタートアップへも商談でよくいったものです。

シリコンバレーが終わるとその足でシアトルに飛んでマイクロソフトでの作業。そういった回遊魚のような生活を長年しておりました。(笑)

アスキーからは当初出向、後に転籍という形でマイクロソフトの日本法人の立ち上げメンバーとして参画したのですが、一度は日本の大企業でも働きたいと思っていたところ、92年に電通からお誘いを頂き転職を決意いたしました。

2013年には、電通が約4,000億円で買収したイージスとのグローバルIT統合の責任者に任命されるなど、とても貴重な経験ができ感謝しております。

起業するに至った理由としては、23年間の電通業務を経て自分の中で再度、米国との架け橋になるような仕事がしたい、自分の将来を考えた際に、「敷かれたレールの上をただ走るのではなく、社会にも、産業にも、家庭にも貢献できるような体制を自分で作りたい」という思いが次第に強くなったのです。

2015年に長年努めた電通を退職し、イノベーションファインダーズキャピタル(Innovation Finders Capital)をシアトルで立ち上げるのに迷いはありませんでした。

*Innovation Finders Capitalの活動内容を教えて下さい。

メインの業務は、シアトルのAI関連のスタートアップと日本の大企業を結び付けるために双方向の支援を行っております。支援の仕方は様々でありますが、ワシントン州政府とも公式にパートナーシップを結んでおり、2016年からJapan Seattle A.I. Innovation Meetup (AI Meetup)を開催してきました

IFC の活動はワシントン州政府の公式プログラムとして進められている

 

2018年7月にシアトルで開催されたAI Meetupの様子

 

多い年では、シアトルで年4回、東京・大阪で各1回ずつMeet upを実施し、Meet up Eventに参加した企業で、ここ数年(2018年、2019年)日本に進出を果たしたシアトルのスタートアップが7社にのぼるなど確実に成果がでています。

2018年5月に東京を訪問したワシントン州テックミッションの様子 © Naonori Kohira
2018年5月に大阪を訪問したワシントン州テックミッションの様子

 

参加エリアも、日本とシアトルの企業が中心ですが、シリコンバレーの日本企業やスタートアップの参加も昨今は増えており、この3つのエリアの相乗効果を最大限だせるようなミートアップになっています。

一方、昨年2019年に日本からシアトルへ新たに進出を果たした大企業は、DNPとDENSO。DNPはオープンイノベーション専門の拠点として立ち上げる一方で、イノベーションを見つけた後を担当する部隊として本社にPoC(実証実験)の受け皿組織を開設しました。

DENSOは、シアトルイノベーションラボという研究開発拠点をシアトルで立ち上げたのですが、今年のCESではアマゾンのオートモーティブブースの中で開発事例を出展するなど、より具体的に目に見える形で企業同士がアライアンスを組みその成果を発信し始めています。

GeekWire Photo / Kevin Lisota

 

当社ミートアップでは主にシアトルのスタートアップと日本の大企業のマッチングを行っていますが、このDENSOとアマゾンの様に日米の大企業同士がコラボする事例もでてきて、大変喜ばしい事だと考えております。

シアトルでは元来ボーイングとの取引の為、日本企業は商社や素材産業各社が長く拠点を置いてきましが、近年は富士フィルムが地元メディカルの大手を買収する形で進出したり、楽天もスタートアップに積極的に投資を行っています。

KDDIが買収したソラコムも米国本社機能をシアトルに置いています。

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