知らないと損する日米の年金制度Vol6-「戸籍」と「住民票」の違いは?

海外で子供が生まれた場合は、出生届を3ヶ月以内に提出しないと日本国籍を戸籍に登録できないのですが、今回はその戸籍の話をいたします。

私たちは、日頃の生活の中で戸籍が常時必要となることはありませんし、海外で生活しているとその必要性に触れる機会は少なくなります。

しかし、戸籍は、日本国民の国籍と親族関係を登録公証する唯一の公文書で、社会生活上、なくてはならない重要な役割を担います。ご存知の通り、米国には戸籍はありません。「家」を中心とする日本と、「個人」を中心とする米国との違いなのでしょう。ですからアメリカ市民権の証明は「出生証明」か「アメリカ市民権獲得証」で行われます。

 

戸籍制度は、出生から死亡に至るまでの身分関係を「戸籍」という公文書に登録して、これを公に証明することを目的にしています。戸籍謄本(抄本)は、婚姻・出生の届出や日本国の旅券の発行等の際、身分関係の確認手続きにはなくてはならないものです。

例えば、親の遺産の相続手続きの際に、子供として相続人であることを証明する場合や、夫の死亡後、妻が遺族年金の受給者であることを証明する手続きをする場合など、戸籍により証明する他ありません。

全ての日本国民は、日本国内に居住するか否かにかかわらず、出生、婚姻、死亡といった身分事項を戸籍に登録することになっています。

海外在住の皆さんがこういった際、わざわざ日本の本籍地の市町村役場に届を出さなくても済むよう、領事館では各種届を受け付けています。

海外にお住まいの場合、主な届出の提出期限は3ヶ月以内となっていますが、特に「出生届」(出生後3ヶ月以内)、「婚姻に伴う氏の変更届」(結婚後6ヶ月以内)、「離婚に伴う氏の変更届」(離婚後3ヶ月以内)については、それぞれの期限内に届出を行わないと、国籍を失ったり、家庭裁判所の許可が必要になる場合もありますのでご注意ください。

また、戸籍と住民票は全く別のものです。居住地を登録し、地方自治体との関係を明示するのが住民登録制度です。居住地は住民票と関連付けて戸籍の附票に記載されており、居住地の追跡に利用することができます。

日本から米国に移住する際、市町村役場に転出届を提出しておけば附票にその年月日が記載されますので、日本の年金手続きの際に、カラ期間(20歳から60歳まで日本国籍で海外に在住した期間)の証明を簡単にすることができます。

最近相談が多いのは、国民年金の保険料未払いの督促状の相談です。日本出国時に転出届を提出せず渡米すると、出国後も住民票はそのまま残っていることから日本に住んでいるとみなされます。

日本在住者は会社に勤務して厚生年金に加入していない限り、国民年金は強制加入です。そこで国民年金の保険料の未払い分の督促が行われたわけです。

また住民票が残されていると国民年金に加えて、国民健康保険料、40歳からは介護保険料の支払い請求が出国時に登録されていた市町村役場から実家などに送られてきますからご注意ください。

読者の中には、既に通知が日本の実家の方に届いている方もいるかも知れませんね。その場合は、速やかに最寄りの送付先の年金事務所に問い合わせをして下さい。放置をしておくと後々大変な事になりますので注意が必要です。

米国で安心して海外生活を送るためには、日本と米国の行政のルールを正しく理解しておく必要がありますね。 

海外年金相談センター

代表 市川俊治

  

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