OECDが2018年にまとめた統計によると、世界の国別平均賃金ランキングは、次の様になっている。
平均賃金は、国民経済計算に基づく総賃金を経済全体の平均従業員数で割って計算。これに、フルタイムの従業員1人あたりの平均1週間の平均時間と通常1週間の平均時間の比率を掛け合わせる。 この指標は、2016年の基準年と同じ年の個人消費の購買力平価(PPP)を使用して、米国ドルに合わせて測定されている。
次の統計は、国別の労働時間をグラフにしたものだ。こちらもOECDが発表したものを引用している。平均年間労働時間は、年間の実際の総労働時間を年間の平均雇用人数で割ったものとして定義される。実際の労働時間には、フルタイム、パートタイム、パートイヤーの労働者の通常の労働時間、有給および無給の残業、追加の仕事で働いた時間、および祝日、年次有給休暇、自分の病気、けがのために働かなかった時間は含まれていない。データは従業員と自営業者をカバーしている。
これらの統計から、生産効率の比較的高い国々は、北欧・欧州に集中していることが伺える。米国は、平均賃金も世界的にみてトップクラスではあるが、労働時間も長い部類に属する。一方日本は、平均賃金は世界と比較してもそれほど高くない。労働時間も決して短くなく、生産性の低さが浮き彫りになっているデータだ。
それでも日本は、GDP世界3位に位置している。いかに労働市場において企業の交渉力が強く、労働者の交渉力が弱いかという事を物語っている。
自身のキャリアをステップアップさせるには、日本国内のみの市場を見るのでなく、世界的に賃金高水準の国への移住を考えた転職も一つのオプションだ。そして最終的には、雇用者から雇用主を目指すキャリアプランを描くのも一つの方法と言えるのではないか。