皆さん、初めまして。
アメリカのLA近郊にあるオレンジ郡で会計事務所を設立している小澤と言います。今回から、連載をスタートさせて頂きました。
会社員時代は、給与から自動的に税金が天引きされ、会社が代わりに納めてくれていましたので、税金のことを特段しらなくても、問題なく過ごすことができたかもしれません。
しかし、起業したら税金とは無縁ではいられません。しっかり税金の勉強をし、合法的に節税できる方法を日頃からきちんと学んでおきましょう。
今後アメリカで会社設立を検討したい!会社を設立したが毎年タックスリターンでとても苦労している!会社の節税についてもっと勉強をしたい!そんなスモールビジネス・オーナー向けの「お得な情報」をお届けしたいと思います。
9月は、一番人気のテーマでもあります「カリフォルニア州での会社設立」についてお話致します。
*CA州での会社設立について
アメリカでは、雇用されながらも自分で会社を経営したり、パートタイムで事業をしたり、もしくはパートナーと一緒に会社運営をしている人が沢山います。
こちらの表は、統計リサーチ会社のstatistaが2019年10月に発表したデータで、米国のフリーランスの労働者の推移を表しています。2017年まで急速に伸び、2020年に向けて再度伸びている事が分かります。
Uber, Lyft,Doordashといったプラットフォームの台頭により、フリーランスで働くオプションが急速に増えているのが一つの要因と言えそうです。
そして、こちらはフリーランスで働く人達の産業別割合です。政府系、教育・ヘルスサービス分野で働くフリーランスとして働く割合が多い事が分かります。
また、ビジネスが好きな人は、一社のみならず会社を複数保有している人もいます。日本の様に副業が認められないというケースはほぼありません。事業で成功したいと思っている人は沢山いるので、たとえ今のお給料が$100,000以上であっても、自分の会社を持って更に成功したいという人は沢山います。
会社の設立と聞くとてもハードルが高いような気がしませんか?しかし、会社の設立はとても簡単で、カリフォルニア州で設立しようと思えば、2週間程で設立できてしまうのです。
まずは、会社の登記は登録したい州政府へ申請します。連邦政府への登記は不要です。会社の登記が完了するとカリフォルニア州の場合は、Corporate IDが発行され、いよいよ会社とし事業が開始できます。
州への登記完了後に会社の法人ID(EIN)を連邦政府へ申請します。
CA州へ会社を登記する申請書類は、Articles of Incorporationというフォームを作成し、CA州のFranchise Tax Bord(FTB)へ提出します。
書類提出後、特に問題がなければ約2週間程で許可がおります。ここでもし問題が起きると、一旦申請が保留となります。
保留の内容にもよりますが、FTBからどの様にしたら良いのかの指示があるので必要に応じで対応していかなければなりまん。
一般的に保留となることが多いのは、会社名が他の会社名と同じ、もしくは類似しているとの指摘が多いです。ですので、事前に会社名のリサーチをする必要もあります。アメリカの場合、会社名が似ているからと訴えられるケースもあるので、有名な会社の名前と似ているようなら避けた方が良いかもしれません。
会社の形態には、一般的な株式会社、アメリカ特有の株式会社(S-Corp)、LLC等、NPO(Non Profit Organization) 幾つかの種類があります。会社を登記する段階で、どの会社形態にするか考えておく必要があります。どの形態が良いのかは事業内容、規模、設立者の状況により様々なので、専門家へご相談される事をオススメ致します。
個人(個人事業主でしていた仕事から会社を設立する人も多くいます。最初は趣味程度で始めたことが、事業になりそうだと会社を作られる人、Youtubeを始めたら思いのほか収益があるので会社にした人など、個人で活躍されている人が会社へ変えて活躍をしています。
その他、会社設立等でご質問がある方は、日本語でお気軽にお問い合わせ下さい。
米国税理士/ワシントン州公認会計士
小澤 毅(オザワ タケシ)