前回までに「会社の設立」と「会社設立後にすべき必要な手続き」についてお話をしてきました。
今回は、会社設立後の「会社の目標設定」に関してお話をさせて頂きます。いよいよ実際に事業を進めていく段階のお話です。
会社というのは、継続的に収益を上げていくことが第一の設立目的となります。そのためには、当然売上を作っていかなければなりませんので、どのようにして売上を上げていくのかを、しっかりと計画し、明確な目標を定める必要があります。
売上の目標以外にも、会社の経営理念、事業目的、社会貢献等、数値目標意外の会社の設立目的等をしっかりと決め、ホームページに掲載するのもよいでしょう。
会社設立時に必要ないのかもしれませんが、自分の会社を一言で言い表せるようなスローガンを作るのも一つのマーケティング方法です。
例えば、ユニクロであれば、「服を変え、常識を変え、世界を変えていく」といった感じです。消費者に与える会社のインパクトもだいぶ変わってくると思います。
勿論スローガンは立派でも、いつまで立っても実行に移さないのでは意味がありませんが。
今までにも多くの起業家の方の会社設立のお手伝いをしてきましたが、こうした設定をしていない方を稀に見受けることがあります。
勿論それで上手くいく場合もあるかもしれませんが、やはり目標をしっかり決めることが重要だと思います。目標を決める事で、それを達成する為には何が必要なのかを一つ一つブレイクダウンし可視化しましょう。
毎日頑張っているのになかなか利益がでないことがあります。クライアントの財務諸表を見ると、単純に売上が少ない場合もあれば、経費が多くかかっている場合もあります。企業によって様々です。
しっかり数字で目標を組立ててみることで、どの程度売上げを上げないといけないのか、経費はいくらまでに抑えないといけないのかが把握することできます。目標とする利益率を設定するのも良いでしょう。
売上と同時に事業を進めていくには、必要経費が出てきます。どの様な経費がかかり、その売上を達成するためには、どのくらいの予算を用意しなければいけないのかも併せて考えていく必要があります。
経費とは、「事業を行う上で必要な費用」と定義されております。弊社によくある質問の中でもどのような出費が経費になりますかとの質問があります。事業によって必要な経費というのは変わってくるので、IRSの方でも何が経費になるとは明記していません。
経費にできるかどうかの判断は、その出費が “通常必要” であるかどうかということになります。例えば、子供のおもちゃは経費にならないと思うかもしれませんが、保育園を経営している場合など、保育園で子供が遊ぶおもちゃを用意する必要がある場合、その事業としては “通常必要” であるため経費として認められる訳です。
気を付けることは、経費になるからといって余計な支出を増やしてしまうことです。会社が今後より多く売上を上げていくためにも、手元資金を厚くし、いざ必要な時に使えるようにしておくことが重要です。
米国税理士/ワシントン州公認会計士
小澤 毅(オザワ タケシ)