米国における地域経済回復動向

カリフォルニア州が6月15日にパンデミックによる全規制を解除した事により、州内の各郡・各市ではパンデミック前の状態に戻ろうとしている。

 

しかし米国全体を見ると、より多くの人々がワクチン接種を受け、地域経済が規制解除になり今年の夏から米国が通常に戻ろうと動いているデータから読み取れる。

今回もソーシャルメディアの一つ、Yelpがまとめたデータを参照にしながら細かく見ていこう。

パンデミック直後の2020年3月、4月、5月は、多くの州で「ホームスティオーダー」となり人々が自宅待機を命令されたため、エッセンシャル事業を除くほとんどの産業で消費者活動が急激に減少したことが特徴的だった。

2021年に経済回復がどのように進んでいるかを理解するために、Yelpのデータサイエンティストは2019年の同じ期間をベースラインとして使用し、2020年のパンデミックによる減少後の回復の割合を以下のグラフで示した。

消費者の関心は、Yelpでビジネスとつながるために人々がとる多くの行動のいくつかを数えることによって測定されます。ビジネスページの表示や写真やレビューの投稿は、人々が地元のビジネスにどのように関与しているかを示し、経済がどのように回復しているかについての洞察を提供。労働力不足と商品価格の上昇が経済全体の健全性をぼんやりと描いている時代に、Yelpの消費者データは、数百万のデータポイントを分析することで、最も回復した企業、州、都市の種類に関する独自の洞察を提供可能としている。

この調査は、全米50州すべて対象となっておりその産業も1,200を超える膨大なデータを分析している。

レストランや食品事業への消費の関心

早く通常の社会活動に戻りたいという消費者の欲求を浮き彫りにしている。
レストラン業界全体が雇用者を引き戻すのに苦労しているにも関わらず、Yelpを通してのレストランへのディナー予約数は急増している。

 

2021年3月、4月、5月のデータは、レストランで2019年のレベルの86%、食品事業では、92%まで回復。

レストランを更に細かく分析すると、回転寿司(2019年レベルの97%に回復)、タパス(82%に回復)、鍋(75%に回復)、点心(84%に回復)、ビュッフェ(52%に回復)と2021年に入り大きなリバウンドとなっている。

サンフランシスコ市内の巨大ショッピングモールに今夏オープン予定の日系回転寿司チェーン。

 

多くのアメリカ人が外食機会を増やしているのは事実だが、その一方で、自宅でで快適な食事を取ることに慣れてしまった人もいる。パーソナルシェフやフードデリバリーサービスに対する消費者の需要は、2021年3月から5月にかけてパンデミック前のレベルを超えて成長し、2019年と比較しても、それぞれ同時期の138%と189%の伸び率となっている。