米国サービス消費回復動向

分析統計会社スタティスタのレポートによると、COVID-19パンデミックが2020年3月から米国内にて本格流行し、ウイルスの蔓延を封じ込めるために広範囲にわたる都市封鎖・行動制限を余儀なくされたとき、個人消費・支出レベルは、2020年1月と比較して最大18%以上減少した。その後アメリカ政府の景気刺激策により個人消費支出は、急速に回復。2020年12月までには、同年1月のレベルにV字回復を遂げている。

そして今年、2021年1月には、最終的にはパンデミック前の支出を6.78%上回ったというデータが米国経済分析局より発表された。

政府の刺激策のチェック、ワクチン接種の進展、消費者の信頼の高まりのおかげで、2021年に入って消費・支出は増加し続けている。ただし、米国経済分析局のデータに基づく上のグラフが示すように、「モノ」への支出は、急速に回復したが、サービスへの消費者支出が最終的に2021年6月にパンデミック前のレベルに達するまでに約1年という長い年月が経過した。

パンデミックの影響により、店内飲食、旅行、その他のレジャー活動などのサービスにお金を使う選択肢が厳しく制限されたのが主な理由だ。

良い兆候があるとすれば、サービス支出がついにパンデミックの穴から抜け出したという事だろう。米国のGDPの構成を見ると、米国GDPにおける個人消費の割合は、約70%(世界全体の17%)と言われており、その中でもサービスに対する個人消費支出がGDP全体の47%を占めている。

しかし、喜びも束の間で2021年7月以降は、デルタ株の猛威が確実に消費者心理を冷やしているとうデータが出ている。

 

同時に日経新聞も、「直近3ケ月のみを比較すると購買担当者景気指数は下げに転じている。」と、電子版で報じている。

米国の人口の半分以上と米国の成人の60%以上がCOVID-19の完全なワクチン接種を受けているにもかかわらず、COVID-19感染の最近の急増は、テック企業の多くが在宅勤務の「再延長」を発表するなど企業活動に少なからず影響を与えているようだ。

ウォールストリートジャーナルが引用したデータ会社SafeGraphのフットフォールデータによると、レストラン、ジム、小売業者は、CDCの更新されたマスクガイダンスと一致して、7月下旬に訪問者数が大幅に減少した。

今後のデルタ株の感染拡大を想定の範囲内に抑える事ができるかが、米国経済の回復の一番の要素となるだろう。その為には、やはり「ワクチン接種・マスク着用」が現時点どの解決方法になる事は、間違いない。

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