コンサルティング世界最大手のBoston Consulting Groupは、1,600人のグローバルイノベーション専門家の世論調査を使用して行った年間ランキングのデータを使用して、2021年に最も革新的な企業のトップ50を公表した。
パンデミックの影響下では、企業におけるイノベーションの重要性が増している事が示されている。シリコンバレーを代表するハイテク大手のApple、Alphabet、Amazon、Microsoftは、パンデミックの状況でもランキング上位をほぼ独占してきたが、新たな動きとして2021年はCOVIDワクチン開発に成功した製薬会社のいくつかがトップ50にランクインされた。
バイオエヌテックと共同でワクチンを開発し、Covid-19に対する2つの薬の発売を発表した米国ファイザー社のトップ10入りはまさに時代の流れを表したものだ。
50位までにランクインされた企業を国別で見ると、米国26社、中国5社、ドイツ5社、日本4社、韓国3社、インド2社、スペイン1社、スイス1社、スェーデン1社、オランド1社、そしてイギリスが1社。
シェアで見ると米国企業が全体の52%、広い意味でのEU20%、中国10%、日本は8%の占有率となっている。
歴史を遡れば、テクノロジーおよび電気通信セクターは、2005年の最初のランキング発表以来、常に上位を独占してきた。Apple、IBM、Microsoftなどのテクノロジー業界で定評のあるプレーヤーは、長きに渡りリストのトップに位置しており、ここ数十年でイノベーションの最前線に常に立ち続けている。
その中にはアマゾン、テスラや中国の通信会社ファーウェイ等、ここ数年で伸びが著しい企業にも注目したい。
日本企業に目を向ければここ数年復調の兆しがあるSONY、そしてTOYOTA、ユニクロを傘下に持つ、FIRST RETAILING等がランクイン。
前年のランキングから20ランク上昇して21位に名を連ねたトヨタ自動車の上昇は、空飛ぶタクシーを開発中の米国スタートアップ Joby Aviationへの約4億ドルの投資が評価されたものだ。
「人工知能、量子コンピューター、自動運転」イノベーションに関するキーワードが多くメディアで取り上げられるようになると共に、「温暖化対策・環境対策」といったサステイナブル性も重要視される。
続いて、Top11以降の企業を見てみよう。
ヘルスケア関連で、インドの製薬会社が2社ランクインされるなど躍進が目立つ。