Japan Seattle AI Innovation “Online” Meetup 19.0 ピッチ企業一覧

 

前回の応募総数を上回る多くのスタートアップの中からピッチ企業10社が選ばれた。最先端の技術を誇る企業や、将来性のある企業ばかりとなっており、女性起業家も2名含まれている。

イベント共催者でもある、ワシントン州政府商務省日本事務所の代表を務める江藤氏は、過去のイベント参加企業で実績を出してきたスタートアップの共通点は、「課題解決型のビジネスモデルに特化している事だ。」と語る。

 

© Naonori Kohira
「過去に参加したDefined.ai社は、AIが行う作業を教える「教師データ作成」の先駆者です。AIの機械学習は優秀ですが、まず初めに人間が従来の作業過程に則って段取りを教えなければ、正確に動きません。創業者のダニエラ・ブラガは、マイクロソフトのAIであるCortanaを開発した人間の一人ですが、マイクロソフトでさえこの教師データを用意できず数々の問題を抱えていました。彼女はそのペインポイントを解決すべく同社を2015年に創業したのです。そのイノベーションは同様の課題を抱えるGAFAMの多くに採用されており、現在同社の企業価値は約500億円を超え、ネクストユニコーンとなっています。」
創業者のダニエラ・ブラガ
TSRI社は、日本RADとディストリビュータ契約を締結する形で日本進出を果たしたスタートアップで、彼らは日本の大企業の多くが抱えるレガシー資産課題の解決ができる数少ないプレイヤーです。日本では大型計算機用にCOBOLやFORTRANなど古いプログラム言語で書かれた業務システムがまだ数多く稼働していて、新しいシステムに移行できず、プログラマーの引退などによりメンテナンスにも大きな課題がありました。TSRIはこれらのプログラムを最新の言語に書き換える技術とサービスを提供して成功しています。」

 

市場環境の変化が激しい昨今においては、「大企業が生き残るのではなく、課題をすぐに解決し、変化に素早く対応できる。」企業が生き残っていくのかも知れない。

今回のピッチ企業は、どのような技術で「課題解決」にチャレンジしているのか。

ピッチ順に紹介していこう。

日時: 2022年 7月27日(水)~7月28日(木 )日本時間

Dates: July 26th Tuesday – 27th Wednesday, 2022 PDT

1日目: 7月 27日 (水 )午前 9時~ 10時 JST

Day 1: 7/26 Tue 17:00-18:00 PDT

2日目: 1月 28日 (木 ) 午前 9時~ 10時 JST

Day 2: 7/27 Wed 17:00-18:00 PDT

イベント無料視聴の申し込みは、こちら

 

Day 1

<スマート・モビリティ・ソリューション>

AIWaysion

     

Wei Sun CEO & Co-Founder

 

エイアイウェイジョンは、より安全で効率的な輸送のために、人工知能(AI)とエッジコンピューティング技術を用いたスマートモビリティソリューションを提供。また、センシング、分析、通信機能を一つのデバイスに集約した次世代コネクテッドビークル(CV)技術等を開発。同社の製品は、WiFi、Bluetooth、セルラーサービス(C-V2X)を利用し、交通管理センター、道路利用者、交通管制装置とリアルタイムに通信を行うことができる。

 

日本市場への期待:

自動車関連全般、製造業、システム・インテグレーター、コンサルティングなど各社様との販売・技術提携

 

<プログラミング不要のクラウド運用>

MontyCloud

 

 

Venkat Krishnamachari CPO & Co-Founder

モンティクラウドは、最新のクラウドインフラ、アプリケーション、サービスの管理とガバナンスを簡素化するための、マルチクラウド管理プラットフォームの開発企業。同社のプラットフォームは、クラウドのコスト管理、あらゆるレベルのセキュリティ、ビジネスコンプライアンスを確保するためのディザスタリカバリを含むコンプライアンスの自動化などの分野をカバーしており、お客様はすべてのクラウド環境においてポリシー主導、アプリケーション中心、かつ一貫した管理を実現することが可能となっている。

 

日本市場への期待:

クラウド関連、システム・インテグレーター、コンサルティングなど各社との販売・技術提携

 

<ナノテク・センサー>

Somalytics

 

Barbara Barclay CEO

ソマリティックスは、アイトラッキング、ヒューマンマシンインターフェース、ウェアラブル、産業安全などに用いられる既存のカメラやセンサーを改善・代替する可能性を持つ小型センサーを商品化しており、世界初の紙複合型静電容量センサーとなっている。紙のように薄く、消費電力が少なく、使い捨てにできる可能性を秘めており、ワシントン大学の研究者が学内インキュベーターのCoMotionで開発した技術を商品化するために、アイトラッキング、ウェアラブル、近接センシング、ジェスチャー認識、プラントセーフティといった幅広い分野をカバーしている。

 

日本市場への期待:

製造業全般、ヘルスケア、コンシューマープロダクツ、製紙など各社様との販売・技術提携

 

<AI-driven, ML-ready アプリ開発プラットフォーム>

Spice AI 

Luke Kim Founder & CEO

スパイスエーアイは、人工知能と機械学習を開発者がより利用しやすくするために設計されたインテリジェント技術の開発会社。同社のアプリケーションプラットフォームは、オープンソースのディシジョンエンジンと「機械学習対応」データを組み合わせ、開発者が次世代の人工知能駆動型アプリケーションを構築できるようになっている。

 

日本市場への期待:

金融全般、AI開発関連、システム・インテグレーター、コンサルティングなど各社様との販売・技術提携

<FDA認可・痛くない耳掃除機>

SafKan Health

Sahil Diwan Co-Founder & CEO

サフカンヘルスは、耳垢除去の手順を混乱なく行うために設計された自動耳掃除デバイスの開発企業。同社のプラットフォームは、両側および片側の処置に対応し、使い捨てのイヤーチップと廃棄物容器により、衛生的に軽度から重度までの固着した耳垢を除去してくれる。患者が自動的に安全にそして効果的に耳垢を除去できる自動化ツール。

 

日本市場への期待: 

ヘルスケア全般、医療機関、薬局など各社様との販売・技術提携

 

続いて二日目のピッチ企業を紹介しよう。