2022年米国新規ビジネス開店率が過去最高

 

コロナ禍終焉を迎えた2022年米国経済は、小売業を中心とした労働力不足、急激なインフレ、サプライ チェーン等の積み重なる課題を一つずつ乗り越えているように見受けらる。

2022 年は、予想に反して米国新規ビジネス開業数が過去最高に達し、全米50州の 86% が新規ビジネスの成長がパンデミック前 (2019 年) のレベルを超たと発表した。

特に南部の州では、最大の成長が見られた。新規事業の成長率が最も高い上位 5 州は、ミシシッピ (+62%)、アラバマ (+54%)、サウスカロライナ (+48%)、ルイジアナ (+37%)、ジョージア (+ 37%)。

ホーム サービスとローカル サービスの新規事業は、これらの上位の州で大幅な成長を遂げた。ミシシッピ州では、ホーム サービス (+126%) とローカル サービス (+116%) の両方のカテゴリで全米最大の増加。 逆に成長率が最も低い上位5 州は、ニューハンプシャー (-5%)、オレゴン (-4%)、カリフォルニア (-4%)、コロラド (-3%)、ニュー ヨーク (-3%)と大都市圏が名を連ねているのも特徴だ。

大都市圏でビジネスをしていた企業がパンデミックにより地方に移転した可能性が伺える。

一方、業種別に見ると、新しいホームビジネスやローカルサービスビジネスによって推進されており、新規のレストラン、ショッピング、ナイトライフビジネスの開店はパンデミック前のレベルには戻っていない。

個人事業主、スモールビジネスが開業率を押し上げていると言えそうだ。

 

 

2022 年の全国の新規開業件数は、2019 年と比較して 12% 増加。2019 年の 566,836 件の新規開業と比較して、2022 年には 637,590 件の新規開業が全米で開設された。 2019 年と比較して、2022 年第 3 四半期に最大の増加 (+15%)。 この前年比の成長は、ホーム サービス (+40%)、ローカル サービス (+30%)、ホテル & 旅行 (+28%)、自動車サービス (+25%)、美容サービス (+ 17%)。

 

逆に大都市圏にスポットを当ててみると、ホテルおよび旅行ビジネスの復活が伺える。

この分野で新規開業が最も多い上位 5 州は、カリフォルニア、テキサス、フロリダ、ニューヨーク、ジョージアで、米国で最も人口密度の高い州となっている。 カリフォルニア州ではロサンゼルス・ サンフランシスコ、ニューヨーク州ではニューヨーク、フロリダ州マイアミ、 テキサス州ダラス・ヒューストン、 ジョージア州アトランタ、 イリノイ州シカゴ。

特にロサンゼルスとニューヨークでは、2021 年と比較して、Yelp が分析したすべてのカテゴリで開業数が増加。 そして、サンフランシスコとロサンゼルスで最大の増加が見られた。ホテルと旅行業では、2022 年の新規ビジネスの前年比成長率が最も高く、上位 8 大都市の上位 3 つのカテゴリにランクされた。

パンデミック前のレベルと比較すると、ホテルと旅行のカテゴリーでは上位 8 大都市圏のうち 7 都市で大幅な変化が見られ、旅行の需要が地域経済の回復にどのように役立ったかを示しています。 また、Yelp のデータは、2019 年と比較して、上位 8 つの大都市圏のほぼそれぞれで、ホームおよびローカル サービス全体で新規開業が増加していることを示している。

 

都市別に見ると、大都市圏の中では、サンフランシスコの低成長率が際立っている。2021 年と比較して 2022 年の開業は 5% 増加し、改善の兆しを見せているものの、他の都市圏と比較して唯一パンデミック前のレベルまで回復しておらず、2019 年の水準を 5% 下回っている。

テック企業を中心としたシリコンバレーの中核を占めるサンフランシスコダウンタウンは、パンデミック前、多くのエンジニアで賑わっていたが、彼らがリモートワークになった事でその大半が街を去った事が要因だと考えられる。

今までは、シリコンバレーの中心地として成長を続けてきたサンフランシスコだが、テキサス・ワシントン・オレゴンといった州外に移転する企業・その家族が後を絶たない。

テック産業一本に頼らない「ハイブリッドな魅力ある街づくり」を是非行政にはお願いをしたい。

 

 

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